城田優インタビュー続編！カバーアルバムの魅力をさらに深掘り

紙面には掲載しきれなかった城田優のインタビューを公開。WEB版では、12月にリリースするJ-POPカバーアルバム『Mariage』の制作背景に迫る。そこから垣間見える“アーティスト・城田優”とは？

「勝手に我々自身はテンションが上がっています（笑）」

カバー自体、賛否両論あると思うんです。ただそこは城田優という、いい意味であまりカテゴライズできないところにいる人間として、原曲をまったく違うアプローチでうまく料理できたらいいよねっていう。そこが、今回の作品を作ろうと思った原点ですから純粋に取り組めました。

僕が小さい頃から聴いてきて、いつかカバーしたい、歌いたいと思ってきたナンバーと本気で向き合って。原曲を歌っていらっしゃるアーティストのみなさんが聴いてくださった時に、“これなら歌ってもらって良かった”と思ってもらえないと、やった意味がないですから。そこはある程度自信があります。“このアプローチあんまり聴いたことないよね”なんて、勝手に我々自身はテンションが上がっています（笑）。

「自分の中でのストーリーが歌になって出てくる」

歌詞は不変なもので、僕自身何度も歌ってきたから体に入っているわけですよ。その上で自分がどれだけの表現ができるか、とにかくそこが大切でした。自分の武器は、歌が歌えることと、お芝居をしてきた、ということで。どうしても僕は歌を物語として歌いたくなる癖がありますから、「even if」に関してはバーボンと葉巻が似合うシチュエーションで隣に女性がいて、ってことを想像しながら心の中でしゃべっている、というイメージ。相手も“年上の女性に恋しているていでいきましょう”“次は同じ年齢くらいの女性”と決めて、数パターン歌ったんですよ。バラードを歌う時も、ブースの電気を落として、暗い世界を作って。失恋ソングとか、たとえハッピーな内容の曲でもすっと聴きたい曲は、暗いほうが歌いやすいんですね。例えるなら、劇場で1本のスポットライトの光が落ちているなか歌っている感じ。

暗くしたブースでマイクの前に立ち、目を閉じて。全部、自分の中でのストーリーが歌になって出てくる。それもあって、今回のレコーディングでは、曲頭から終わりまで通して歌うことにこだわりました。

「井上陽水さんとはまた違った世界観を出せたらいいなと思った」

音楽を聴く側の時も、作る側の時も思っていることなんですが、最終的に聴いている人がすべて。自分がどれだけの想いを込めたとか、ここはこういう気持ちなんだ、というのはエゴなんです。だから「少年時代」についても、僕はあくまで、楽曲から感じた物語やアレンジのバーにいるような雰囲気を含めて、あの頃を思い出す、少し若い頃を思い出すというスタンスで歌いましたし。井上陽水さんとはまた違った世界観を出せたらいいなと思っていたんです。

前に1回イベントで、オリジナルのクリスマスソングを作って歌ったんです。そこには僕が描いていたストーリーがあるんですけど、あえて歌詞を、ハッピーなのか、アンハッピーなのか判断が難しいラインにしていたんです。そしてそれを歌い終わった時に、みなさんは幸せだと思いましたか、不幸だと感じましたかって聞いたんですね。結果、半々くらいでした。いくら想いを込めても、聴き手の中で変化していったりするから、音楽は面白いんですよね。

「アンコールで出てきて歌うくらいのイメージ」

「Mariage～君に贈る歌～」（城田優が詞曲を手がけたオリジナル曲）は、今回のアルバムで何曲もアレンジしてもらっている音楽仲間であり、信頼を置いている音楽プロデューサーのUTAくんの家でちょっとセッションしようよ、と作業したら、1日でほぼできた曲です。その時に伝えたのが、“穏やかで、愛の曲でありながら盛り上がりすぎない、しかもサビは1回しかない。音数は少なくて、だけどエモい”。まさにその通りの曲になりました。

その時は、好きとか片想い、少しお付き合いしているくらいの内容でした。でもレコーディングする頃には、もっと深くいきたいな、と思うようになったんです。もっと彼女のことを知って、もっと彼女のことが好きで、って 超越していったらどうなるかなっていうことで、最近書き直したんですね。その詞が仕上がった時に、仮タイトルにつけていた「君に贈る歌」に、「Mariage」という言葉を入れてもいいな、と。自分がカバーという形で歌ってきた曲の最後にエンドロール的に入る曲や、アンコールで出てきて歌うくらいのイメージで収録したのが「Mariage～君に贈る歌～」なんです。

J-POPカバーアルバム『Mariage』のリリースを記念して、エムオン!では城田優のオリジナル番組を放送！