三谷幸喜が描く大河ドラマ「真田丸」が帰ってきた!
2025.04.24
2016年にNHKで放送がスタートした大河ドラマ「真田丸」。三谷幸喜による脚本で、主演の堺雅人をはじめ豪華キャスト陣で描かれた壮大な戦国絵巻は、大河ファン、歴史ファン、そして今まで歴史ドラマに触れてこなかった層までをも虜にさせる魅力溢れる物語となった。チャンネル銀河では、そんな大河ドラマ「真田丸」をCS初放送で5月よりお届けする。久々のテレビ放送となる本作の魅力や、主な登場人物をご紹介。気になっていたけど見逃してしまったという方や、久しぶりに見返したいという方はぜひこの機会にチェックしよう!

謎に包まれた信繁の人生を三谷脚本で描き出す!
戦国時代最後の名将と言われる真田幸村(本名・真田源次郎信繫)。信濃の一領主に過ぎなかった真田昌幸の次男でありながら、大坂の陣において戦国時代最後にして最強の砦「真田丸」を作りあげ、覇者・徳川家康をも恐れさせる人物となった彼だが、実はその生涯の多くは謎に包まれている。
そんな真田信繫に焦点を当てたのが、脚本家のみならず、演出家、映画監督としても活躍する三谷幸喜。歴史好きとして知られる三谷が、2004年放送の『新選組!』以来12年ぶりに大河ドラマの脚本を手掛けた。時代を作った「勝者」よりも、「敗者」と呼ばれる人たちに魅力を感じると語る三谷は、最期の瞬間に人生のクライマックスを迎える人物、ドラマで言えばピークが最終回に来る人物として真田信繁を題材に選んだという。
三谷は、謎に包まれた信繁の人生を可能な限り史実に近づけつつ、歴史に残っていない隙間の部分を想像力で埋めながら、本作の信繁像を作り上げていった。そこに描かれたのは、天才の父、秀才の兄の背を追いかけながら、故郷に住む家族と共に乱世を生き延びていくために、迷い、悩み、苦しみながら成長していく信繁の姿。そして「日の本一の兵(つわもの)」と謳われる伝説の武将となるまでの激動の人生を、三谷作品に共通する軽妙さ、ユーモア溢れる部分はそのままに、大河ドラマならではの壮大なスケールで描いた。

役者のポテンシャルを引き立たせる絶妙な配役
三谷作品には、その俳優の魅力を存分に引き出すポテンシャルを備えており、今作においても、もはやこの役はこの俳優でないと成り立たないのでは?と思わせる絶妙な配役が際立っている。その最たる例として、『新選組!』にも出演しており、大河ドラマ出演3度目にして初主演となった堺雅人は、今回の知略に長け、柔和な人柄を持つ新たなイメージの真田信繁像が見事にマッチしている。また、生き残るためには裏切りも厭わないが、どこかお茶目で憎めない、そんな人間味あふれるキャラクターを豪快な演技で表現した真田昌幸役の草刈正雄は、「今までの役者人生の集大成」と語るなど、その魅力が120%引き出されている。
このように実力派俳優たちが三谷脚本の中で生き生きと演じていることが伺えて、視聴者にもそれが伝わってくるこの配役の妙は三谷幸喜のなせる業でもあるだろう。そのため、本作が大河ファンのみならず、三谷作品や、ドラマ好きにもおすすめできる大きなポイントでもある。そんな俳優陣を一部紹介していこう。

大河ドラマそして三谷幸喜ならではの豪華俳優陣をご紹介
「日の本一の兵(つわもの)」とも讃えられた、戦国時代を代表する武将であり、現代でも圧倒的な人気を誇る真田信繁(幸村)役を堺雅人が圧巻の演技力でラストまで完投! 本作は制作陣の多くが『新選組!』にも携わったメンバーだったこともあり、信繁役は『新選組!』で山南敬助という難しい役柄を理知的に演じた堺しかいないと、脚本の三谷も含め誰もが思ったという。迷いながら、そして苦しみながら成長していく信繁の姿は現代人にも通じるところがあり、多くの人の共感を得た。

信繁の父であり、甲斐の名門・武田家を主君にもつ信濃の一領主、真田昌幸役となったのは、1985年に放送されたNHK新大型時代劇『真田太平記』で真田幸村役を演じた草刈正雄。昌幸によって築城された上田城で二度にわたり徳川軍を撃退していることから、知略に長けた武将として有名だが、そういった側面も描きつつ、家族想いで茶目っ気のあるキャラクターを見事に演じた。

信繁の兄・真田信幸(信之)を演じるのは、大河ドラマへの出演は『龍馬伝』以来2度目となった大泉洋。信繁にコンプレックスを感じつつも深く信頼しあう兄、そして真田家の存続に尽くす嫡男としての姿を誠実に演じた。

真田家重臣・高梨内記の娘であり、信繁の生涯のパートナー・きり役は長澤まさみが演じた。幸村に“ため口”で話すなど、物語の中ではラフなスタイルで現代的なキャラクター設定となり、長澤の良さを生かした配役となっている。青春時代から大坂の陣まで、信繁の波乱の人生に寄り添い続ける。

信繁の前に終生立ちはだかり続ける、最大最強の宿敵・徳川家康役には内野聖陽を抜擢。天下取りのための最終決戦となった大坂の陣で、信繁に絶体絶命の窮地に追い込まれることになる、後の征夷大将軍だが、本作では少し情けないところも描かれより人間味のある人物像に。内野ならではの軽快な演技で新たな家康像が生まれた。

信繁と不思議な因縁で結ばれた戦国大名・上杉景勝役は遠藤憲一。本作では、物語の終盤まで信繫に関わる重要な役どころで、「ええかっこしい」で「弱さ」もあり、内面には葛藤も抱える難しい役柄を遠藤が巧みに演じた。

信繁をはじめ真田家と深い親交を持つことになる石田三成役は山本耕史。『新選組!』では“鬼の副長”と呼ばれた土方歳三役を演じて話題に。本作では、知的ながらも豊臣家に忠誠を誓う熱き魂を持った三成を山本らしく演じた。

信州豪族の真田家の力を高く買い、大名に取り立てるなど、物語上では信繫とも深く関わることになる豊臣秀吉役は小日向文世。愛嬌があり、無邪気で顔は笑っていても、目は笑っていないというどこか恐ろしさを感じさせる秀吉を演じ、ハマり役だと話題に。

大河&歴史ファンからの評価も高い見せ方
そして今回、大河ファン、並びに歴史ファンを唸らせたのは、その時代考証の高い再現性と、『信長の野望』や『三國志』などで知られる気鋭のゲーム・プロデューサーのシブサワ・コウ氏による技術提供・監修だ。
「史実に忠実な本格ドラマ」と歴史ファンからの支持が厚かった本作の時代考証を担ったのは、戦国時代を専門とする歴史学者の丸島和洋。脚本の段階から関わり、議論を重ねながら作品づくりに参加する形で、セリフや合戦シーン、城や甲冑など衣装の細部にまで最新の歴史研究が反映され、コアな歴史好きも含めて非常に評価の高い作品となった。
さらに、人気ゲーム『信長の野望』シリーズを手掛けるプロデューサー、シブサワ・コウが「3D地図監修」を担い、『信長の野望・創造』で使われた「フル3D全国一枚マップ」のCG技術を提供したことも話題に。戦国時代の日本を再現した3Dマップをドラマ内の場面説明で使用し、戦国ファンも納得の仕上がりとなった。

まだまだ「真田丸」の魅力は語りつくせないが、これ以降はぜひ本編にて楽しんで欲しい。約9年ぶりのテレビ放送ということで、放送を待ち焦がれていたファンの方はもちろん、まだ観ていないという方も、ぜひこの機会に視聴されることをおすすめしたい。
(新)大河ドラマ「真田丸」(チャンネル銀河 歴史ドラマ・サスペンス・日本のうた)
2025年5月1日(木)放送スタート
毎週月~金曜 深0.00~1.00 ※再放送あり
【番組ページ】
https://www.ch-ginga.jp/detail/sanadamaru/