アスリート大活躍の年の締めくくりに“あの名曲”作曲家モデルの朝ドラをチェック!

2024.11.22

 世界のアスリートたちが大活躍した2024年。チャンネル銀河では、スポーツシーンを彩る応援歌「栄冠は君に輝く」などさまざまな楽曲を作った作曲家・古関裕而と妻の金子をモデルとした『連続テレビ小説 エール』を12月16日(月)よりCS初放送する。2020年にNHKで放送された本作は、放送開始時期に新型コロナウイルスの感染が拡大し、約2か月半の撮影休止を余儀なくされるなど、数々の困難を乗り越えて作られた。そんな本作の見どころや、主な登場人物を紹介。今年の締めくくりに、ぜひチェックしてみよう。

昭和の音楽史を代表する作曲家がモデル

 阪神タイガースの歌「六甲おろし」や巨人軍の歌「闘魂こめて」、夏の全国高等学校野球選手権大会の歌「栄冠は君に輝く」、1964年に開催された東京オリンピックの入場行進曲「オリンピック・マーチ」など数々のヒット歌謡曲で昭和の音楽史を代表する作曲家・古関裕而。そしてその妻の金子をモデルに、音楽とともに生きた夫婦の物語を描いたのが本作『連続テレビ小説 エール』だ。

夫婦の絆と裕一・鉄男・久志の深い友情

 作曲コンクールで上位入賞を果たした古山裕一に、歌手を目指している関内音からファンレターが届く。同じ志で結ばれた二人は文通を重ね、やがて結婚し、互いに支え合いながら二人三脚で音楽の道を進むことになる。そんな二人の深い愛情と音楽に対する信念が観る者の胸を打つ。

 そして、裕一の幼なじみで、学校では一番のガキ大将だった村野鉄男は、裕一と互いに音楽や詩の道を進もうと励まし合う同志に。同じく裕一の幼なじみで、裕福な家の息子であった佐藤久志は歌手となり、東京の音楽学校で裕一と偶然の再会を果たす。そんな仲良し三人組の“福島三羽烏”が見せるコミカルな掛け合いは話題となった。

古山家&関内家の家族愛と恩師との師弟愛が胸を打つ

 父・古山三郎に福島の老舗呉服屋の跡取りとして育てられた裕一。しかし音楽に出会いその喜びに目覚め作曲家を夢見るも、後継ぎ問題に阻まれ、家族をとるか夢をとるかで揺れる。父・三郎は、そんな裕一にとってかけがえのない理解者でもあった。

 一方、豊橋で馬具の製造販売を行う関内家三姉妹の次女として生まれた音は歌手になることを夢見る。夫・安隆亡きあと、3人の娘を育てる母・光子は、これからの時代は女性もしっかり自立すべきという思いが強く、個性豊かな娘たちそれぞれを愛情深く見守る。

 そして裕一の恩師である小学校の担任・藤堂清晴は、裕一の作曲の才能を見いだして応援していくこととなる。

音楽が大きなテーマとなっている本作の注目曲

注目曲①「オリンピック・マーチ」

第1回の放送と第118回の放送に登場。昭和39年10月10日の東京オリンピック開会式で流れたこの曲は、裕一の集大成とも言える大仕事としてドラマのスタートと終盤を彩る。

注目曲②「福島行進曲」

裕一から誘われて鉄男が書いた詞に、裕一がメロディをつけた「福島行進曲」は初のレコードとなり、裕一はプロの作曲家デビューを果たす。そして鉄男は作詞家になる夢をかなえるため上京してくる。

注目曲③「暁に祈る」

陸軍の馬政課でつくることになった映画「暁に祈る」の主題歌の作曲を依頼された裕一は、作詞を鉄男、歌を久志に指定することを条件に引き受ける。出征することになった藤堂先生と再会した鉄男は、気持ちを込めて歌詞を書き、大ヒット。ついに福島三羽烏が世に出ることとなる。

正面から戦争描写に取り組んだ朝ドラ

 モデルとなった古関裕而は、戦前から戦後にかけて、激動の時代を駆け抜けた人物。そのため本作でも、戦争描写に正面から取り組んだ。軍の要請で戦時歌謡を作曲する裕一は、自分が作った歌を歌って戦死していく若者の姿に心を痛める。そして裕一にも音楽慰問で戦地に赴くよう命令が下り、そこで悲惨な現実を目の当たりにした彼は、あまりのショックで作曲ができなくなるのだが…。主人公の裕一が戦争に翻弄される姿を通じて、視聴者に強いメッセージを届けた。

窪田正孝&二階堂ふみが夫婦役を好演! “朝ドラ”ならではの豪華共演陣も

 主人公・古山裕一役を演じたのは映画、ドラマ、舞台とあらゆるジャンルで存在感を放つ実力派俳優の窪田正孝。NHKでは2014年、連続テレビ小説『花子とアン』で、花子の幼なじみ・木場朝市役を演じて大きな反響を集める。才能に恵まれつつもどこか不器用で憎めないキャラクターを好演した。

 ヒロイン・関内音を演じたのは、オーディションにより2,802人の参加者の中から選ばれた二階堂ふみ。NHKでは、大河ドラマ『平清盛』『軍師官兵衛』『西郷どん』などに出演。演技力に加え、歌唱力も評価されての抜擢ということもあり、歌唱シーンは必見。

 裕一の幼なじみで作詞家の道を進む村野鉄男役を演じたのは、2023年にNHKで放送された連続テレビ小説『らんまん』にも出演した中村蒼。筋が通っていて男らしいキャラクターを好演した。

 裕一の幼なじみで歌手の佐藤久志を演じたのは、ミュージカル俳優の山崎育三郎。NHKでは2021年放送の大河ドラマ『青天を衝け』で伊藤博文役を務めた。本作では、その伸びやかな歌声を存分に披露しており、終盤の「栄冠は君に輝く」では感動の歌唱も。

 頼りない一面もあるが、裕一にとってかけがえのない理解者でもある父・古山三郎役はベテラン俳優の唐沢寿明が演じた。窪田正孝とは数年前から交流があり、父親役に限らず、どんな役でもオファーがあれば出演するつもりだったという唐沢の演技に注目だ。

 娘たちを愛情深く見守る、音ら三姉妹の母・関内光子役を演じたのは、歌手であり女優の薬師丸ひろ子。90話では、空襲で見るも無残な焼け跡を彷徨いながら賛美歌を歌うシーンが話題に。

 裕一の小学校の担任であり、その才能を見出し応援する藤堂清晴役は、シンガー・ソングライターの森山直太朗が熱演。鉄男が陸軍制作の映画の主題歌「暁に祈る」をついに完成させた75話で藤堂の出征のシーンが描かれ、SNS上では「朝から大泣き」「胸が張り裂けそう」などの声が集まった。

 コロンブスレコードでの裕一の同期である作曲家・木枯正人を、人気ロックバンド・RADWIMPSの野田洋次郎が演じて大きな話題に。2015年公開の映画『トイレのピエタ』で俳優デビューをしており、連続テレビ小説は初出演となった彼の演技に注目だ。

 そして、コメディアンの志村けんが日本作曲界の重鎮・小山田耕三役として本作でドラマ初出演を果たすも撮影期間中に逝去。彼の遺作としても注目を集めることとなった。

 また、音楽がテーマの本作には、山崎育三郎以外にも、御手洗清太郎役の古川雄大をはじめ、柿澤勇人、小南満佑子、井上希美や元劇団四季所属の吉原光夫といったミュージカルを中心に活躍している俳優が多数出演。それぞれが各シーンで存在感を発揮し、物語を盛り上げているところも魅力の一つだろう。

最終回の120話は感動のフィナーレ

 最終回は人気キャスト総出演のカーテンコールと言うべき特別編、“『エール』コンサート”となっており、「とんがり帽子」から「長崎の鐘」まで、古関裕而の名曲の数々を古川雄大、小南満佑子、井上希美、山崎育三郎、堀内敬子、吉原光夫、薬師丸ひろ子、森山直太朗らミュージカル俳優・歌手として活躍する面々が熱唱。「長崎の鐘」では二階堂ふみも伸びやかな美声を披露し、日本中に温かな気持ちを届けてくれた。

 東日本大震災から約9年がたった福島を応援する作品にしたいとの想い、そして2020年に予定されていた日本の一大イベントに合わせて制作された『連続テレビ小説 エール』。コロナ禍という未曾有の一大事を乗り越え、全国に勇気と感動、そしてエールを届けてくれた本作に、この機会に触れてみてはいかがだろうか。

連続テレビ小説 エール(チャンネル銀河 歴史ドラマ・サスペンス・日本のうた)
2024年12月16日(月)放送スタート
毎週月~金曜 深0.00~1.00
※再放送あり ※3話連続
【番組ページ】
https://www.ch-ginga.jp/detail/yell/

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